Anathema 11th

Anathema / The Optimist


2017年、Kscope。イギリス。Vo,Vo&Gt,Gt,Ba,Dr,Key。
ポスト･プログレッシブ･ロック･バンドの11thアルバム。

「A Fine Day to Exit」の続編と言われているコンセプトアルバムだそうです。
プロデューサーはTony Doogan。
エレクトロとアンビエント色の強い作風で、「Weather Systems」で一つ成功したと言えるVincent Cavanaghのソウルフルな歌唱を軸としたエモーショナルでアップテンポな楽曲モデルはほぼありません。聴き流してしまいそうな、起伏の少ないサウンド感に統一されています。しかし一旦アルバムの世界観に入り込むと、それぞれの情景が凄く深く突き刺さってくる。この作品、ちゃんと向き合わないと全然響いてこないんですよね。
ドラムサウンドはやや懐古的な生録音の強い音質で特徴的です。

1.32.63N 117.14Wはシルバーストランドステートビーチを示す座標点をタイトルとした物語の序曲。「A Fine Day to Exit」のアートワークのモデル地なんだってね。
2.Leaving It Behindはエレクトロでダンサンブルなアレンジが強く印象付けられダークな歌メロとの相性の悪さに面食らう。
3.Endless Waysは透明感が素晴らしいLee Douglasの美しい歌声を響かせる"Part2"路線のバラード。
4.The Optimistはミニマルな音像のピアノから静かで美しいオーケストレーションを展開させていく。
5.San Franciscoはピアノとエレクトロを延々としていくインストナンバー。これも含めて、エレクトロとアンビエントのこの掛け合わせたこの感じ。以前に聞いたようなことがある、と思ったのですが、Devid Wiseですね。ドンキーコング。特に３分を過ぎたところからの美しい展開が海岸の景観を脳裏に印象付ける。
6.Springfieldはエモーショナルで無我の境地に至ったようなLee Douglasの虚無的な歌声が繰り返される。
7.Ghostsはエレクトロニカに弦楽器を重ねていき徐々にエモーショナルになっていく。メロディトーンが攻殻機動隊っぽい気がしています。
8.Can't Let GoはミニマルかつプログなThin Air風楽曲。メロディはシンプルでこの辺で集中力が切れる。
9.Close Your Eyesは持ち直すにはダークでアンビエントでシンプル。サキソフォンを取り入れたジャジーでミステリアスな後半が非常に艶がある。
10.Wildfiresは単調に響くピアノと、それに呼応していくブーミィなエレクトロにVincentがエモーショナルに歌いあげていく。
11.Back to the Startは昇華されていくような飛翔メロディ大団円エンディング曲でラストを飾る。。。

向き合ったとき、そこに至福があるのか・・・？
アートワークはTravis Smith。


First Impression: ★★★
Rating: ★★★★☆

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